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机の上に置かれた法令集と書類のファイル、ペン

REGULATION

治験を規律する制度を、
通知と基準の側から整理する。

GCP省令、ICH-GCP、DCT関連の通知、ドラッグロス対策を、条文と通知の趣旨に沿って整理します。

治験を規律する制度の全体像

最終更新日:

本ページは制度の整理であり、個別の手続きの適否に関する法的助言ではありません。

国内で治験を実施する際には、複数の法令・基準・通知が重なって適用されます。中心となるのは、医薬品医療機器等法(薬機法)と、その下で定められた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP省令)です。これに、国際的な合意であるICH-GCP、電磁的記録・電子署名の取り扱いに関する指針、個人情報保護に関する法令、各種の通知・事務連絡が加わります。治験の依頼者、CRO、医療機関、SMOは、それぞれの立場でこれらの基準に沿って業務を行います。

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本ページは、これらの制度を、条文や通知の趣旨に沿って「〜と定めている」「〜が示されている」という形で整理します。個別の治験や手続きが制度に適合するかどうかの判断や、法的助言を行うものではありません。原文と最新の内容は、厚生労働省の公式サイト、PMDAの公式サイト、ICHの公式サイトで確認してください。

業界の関係者や構造は治験業界の全体像、被験者の同意や募集に関わる制度の論点は被験者募集の実務とAI活用で扱っています。

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GCP省令とICH-GCP

GCP省令は、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令で、治験の計画、実施、モニタリング、監査、記録、報告などについて、依頼者、実施医療機関、治験責任医師などの責任を定めています。被験者の人権と福祉の保護、科学的な質の確保、データの信頼性という三つの目的を持つと整理されます。治験審査委員会の設置と審議、被験者の同意の取得、治験薬の管理、記録の保存などが具体的に定められています。

ICH(医薬品規制調和国際会議)は、日米欧などの規制当局と業界団体が、医薬品の規制の調和を進める枠組みです。ICH-GCPのガイドライン(E6)は、治験の実施に関する国際的な基準を示しており、国内のGCP省令やその運用通知にも反映されています。E6については、近年の改訂(R3)が議論・最終化されており、リスクに基づく品質管理やデジタル技術の活用などが盛り込まれています。国内での取り扱いの詳細は、厚生労働省やPMDAの公表資料で確認する必要があります。

これらの基準は、DCTのような新しい実施形態にも適用されます。遠隔でのデータ取得や電子的な同意が行われても、被験者保護とデータの信頼性という基本原則は変わりません。DCTを支えるツールを事実項目で整理したのがDCTツールの比較です。

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治験計画の届出と審査

薬機法では、治験の依頼をしようとする者が、あらかじめ治験の計画を厚生労働大臣に届け出ることと定めています。この届出に関する調査はPMDAが行います。初回の届出については一定の調査期間が設けられており、期間中に問題が指摘されなければ、治験を開始できるという運用がされています。届出の対象や手続きの詳細は、PMDAの公開情報で確認できます。

また、治験の実施にあたっては、実施医療機関に設置された治験審査委員会が、実施の可否を審議します。治験審査委員会は、倫理的・科学的観点から、治験の内容、被験者への説明文書、被験者の募集方法などを審査します。小規模な医療機関が、外部の治験審査委員会に審査を委託する場合もあり、SMOがIRB事務局業務を担うことがあります。SMOの比較では、こうした受託業務を各社の公式記載で並べています。

承認申請の段階では、治験の成績がPMDAによる審査の対象となり、適合性調査として、治験が基準に沿って実施されたか、データが信頼できるかが確認されます。このため、依頼者とCROは、記録の保管と手順書の整備に注意を払う必要があります。CROの比較で整理した業務は、この基準の実務的な対応を担う側面があります。

分散化手法(DCT)に関する通知の整理

国内では、DCTの要素を治験に取り入れる際の留意点が、厚生労働省の通知を通じて段階的に示されてきました。主な流れは次のとおりです。

  • 2023年3月30日:治験や製造販売後調査での、電磁的方法による説明・同意(eConsent)に関する留意点を示した通知。来院に依存しない治験に関するガイダンスの第1弾として位置づけられています。
  • 2024年9月20日:「治験及び製造販売後臨床試験における情報通信機器等により電磁的記録として収集された情報を用いた有効性及び安全性の評価に関する留意点について」(医薬薬審発0920第1号・医薬機審発0920第1号)。モバイルデバイスやウェアラブルデバイスなどの情報通信機器で収集したデータを評価に用いる場合の留意点を示した通知で、全文はPMDA掲載の通知で公開されています。
  • 2026年3月18日:「治験の実施に係る業務等のパートナー医療機関への委託の取扱いについて」(医薬薬審発0318第1号、厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)。実施医療機関が治験の業務の一部を実施医療機関以外の医療機関(パートナー医療機関)に委託する場合の取扱いを示しており、GCP省令第39条の2に基づく契約の締結を前提としています。全文は厚生労働省掲載の通知で公開されています。

これらの通知は、DCTの手法を用いることを義務づけるものではなく、手法を採用する場合にGCP省令の趣旨をどう満たすかを示すものです。たとえば、被験者への説明は治験責任医師などの責任のもとで行われること、遠隔で行う診療や検査の位置づけ、データの信頼性確保の方法などが論点となります。通知の件名や番号を含む正確な内容は、厚生労働省の公表資料で確認してください。

電磁的記録・電子署名の取り扱いについては、医薬品等の承認申請等における電磁的記録・電子署名の利用に関する指針があり、システムの妥当性確認、アクセス管理、監査証跡などの考え方が示されています。海外の基準として、米国の21 CFR Part 11が参照されることもあります。ツール提供企業の説明は、各社の公式資料で確認してください。

ドラッグロス対策に関する制度の動き

ドラッグロスへの対応として、厚生労働省は、国内での開発を後押しする政策を検討・実施してきました。これまでに設けられてきた主な制度として、希少疾病用医薬品の指定制度、先駆的医薬品の指定を通じた優先審査、条件付き早期承認制度などがあります。条件付き早期承認制度は、患者数が少ないなどの理由で検証的な臨床試験の実施が困難な医薬品について、一定の条件のもとで早期に承認する制度で、2017年に導入されました。

2024年以降も、薬機法の改正や、小児用医薬品の開発促進、海外のバイオ企業による国内開発の支援といった取り組みが議論・実施されています。2025年に成立した薬機法等の改正では、条件付き承認制度の見直しや、小児用医薬品の開発計画に関する仕組みが盛り込まれたと報じられています。これらの制度の具体的な内容や施行時期は、改正法の条文と厚生労働省の公表資料でご確認ください。

治験を実際に動かす企業にとっても、これらの制度は事業環境に関わります。たとえば、国際共同治験への参加を後押しする環境整備や、海外企業が日本で治験を行う際の窓口機能は、CROが事業の一つとして掲げることがあります。一方で、制度の個別の効果を評価することは、本サイトの範囲を超えます。

小児・希少疾病領域の制度上の位置づけ

小児や希少疾患の領域は、対象となる患者数が少なく、治験の実施が難しいという特有の課題があります。患者の数が限られるため、治験の施設が少数に絞られたり、国際共同治験が前提となったりすることが多くなります。また、小児を対象とする場合は、本人の理解と保護者の同意、本人の意向の尊重(アセント)といった倫理面の配慮が重要です。

制度面では、希少疾病用医薬品の指定を受けると、開発の支援や優先的な審査などの措置が受けられます。指定の要件や措置の内容は、厚生労働省の公表資料で確認できます。希少疾患の領域では、患者の来院負担が大きいため、DCTの手法が注目されることがあります。DCTツールの比較で整理したオンライン診療や電子的なデータ収集は、その具体的な手段の例です。

以上の制度の整理は、治験の業界を理解するための基礎資料です。個別の治験の可否や手続きの適否は、治験責任医師、治験審査委員会、依頼者、規制当局との協議の中で判断されるものであり、本サイトの記述をもとに判断するものではありません。費用や職種といった実務面はコスト構造・資格・職種で説明します。

制度を実務で読むときのポイント

治験に関わる企業の実務では、制度の理解が事業の前提になります。たとえば、CROは、依頼者から委託された業務について、GCP省令の定める依頼者の責務のうち、どの部分を担うのかを契約で明確にする必要があります。委託された業務の範囲を超えた責任は、依頼者が引き続き負うと整理されるため、契約書の文言と責任分担の明確化が重要です。

医療機関側でも、治験責任医師が、分担医師やCRCに業務を割り当てる際に、役割の範囲と責任を文書で管理することが求められます。SMOのCRCがどの業務を担うか、IRB事務局業務を外部に委託する場合に、審議の独立性をどう確保するかといった点も、制度上の論点です。

DCTに関しては、遠隔診療や自宅での検査、治験薬の配送を取り入れる場合、被験者保護や緊急時の対応、データの帰属、情報セキュリティなどについて、治験ごとに手順を定める必要があります。業界の企業は、こうした論点を踏まえて、サービスを設計しています。各社の提供内容は、DCTツールの比較で事実項目として整理しています。

一次情報の探し方

制度に関する一次情報は、厚生労働省の公式サイトの医薬品関連のページに、省令、通知、事務連絡が掲載されています。治験計画の届出や相談の仕組みは、PMDAの公式サイトに案内があります。ICHのガイドラインは、ICHの公式サイトに最新版が公開されています。臨床研究法に基づく研究は、jRCTで実施計画が公開されています。

通知や事務連絡は、発出日、件名、宛先が明記されているため、引用する際は件名と日付を併記するのが一般的です。同じ内容が改訂される場合もあるため、古い資料を参照していないか、最新版を確認する習慣が大切です。また、報道や解説記事は理解の助けになりますが、制度の根拠は原文にあります。本サイトも、引用する際は原文へのリンクを示し、報道によって知り得た内容は、その旨を明記しています。

治験に関する制度の整理は、治験業界の全体像からコスト構造・資格・職種まで、各ページにまたがって参照されます。必要に応じて行き来しながらご利用ください。

本サイトは治験・臨床試験の制度と業界を公開情報から整理したものであり、治験への参加勧誘や医療上の助言ではありません。治験参加の判断は担当医師・治験責任医師の説明を受けたうえで行ってください。各社のサービス内容・実績は変更されることがあります。